ピアミーティングって何?
  
ピアミーティング(Peer Meeting)とは、
Peer(仲間)」Meeting(集い)」の事です。
つまりHIV陽性者自身が、自分たち自身の意志で集まり、
自分達の知りたい事、話したい事を、ざっくばらんに語り合う会の事です。
私たちは普段、自分の病気(HIV)の事について、
安心して語れる場と言うものを持つことは非常に難しいですよね。

「こんな時、他の陽性者の人はどう考え、どうやっているのだろう。」
「自分の様な不安な気持ちの人はいるのだろうか・・・」


などなど、他のHIV陽性者の人に聞いてみたい事はたくさんあるけれど、
この病気に関しては、特にプライバシーの保護はとても大切な事だから、
病院は決して他の陽性者の方を紹介してはくれません。
もちろん私達自身も、知らないうちに誰かに紹介されたりするのは困りますよね。
そういった病院の医療体制の中では実現できない、
HIV陽性者同士の交流を、自らの意志で参加し、
語り合うのがピアミーティングなのです。


特にHIV陽性の告知を受けて間が無い人は、
自分の健康の事、福祉や医療費の事、仕事の事、将来の事、
色んなことが不安でたまらないと思います。
あまりの衝撃の大きさに精神的に参って心まで患ったり、
ふさぎ込んでしまったりする人もいます。
そこまでいかなくとも、感染してしまった事に対する罪悪感や
他人には決して打ち明けられない秘密を抱えてしまった孤独感、
HIVをうつされた相手に対する憎しみ、自暴自棄になる気持ちなど、
自分自身の中にある、様々に揺れ動く心の葛藤と闘わなくてはいけません。

そのために、病院の担当医師や看護師、薬剤師、ケースワーカー、
臨床心理士、役所の障害窓口の担当者・・・色んな人たちが、
私達のために各分野で治療や指導、カウンセリングをしてくれたりはします。
けれど、それはあくまで仕事として接してくれているだけで、
同じ立場で気持ちを共有できるわけではありませんし、
医師対患者と言った立場では、なかなか本音や愚痴、弱音を漏らす事も出来ません。

だからこそ、同じHIVを抱え込んでしまった陽性者同士、
同じ立場、対等な立場で語り合えるピアミーティングは、
とても大事な意味を持っているのです。

全国にはたくさんのHIV陽性者のためのピアミーティングや
そういった運営を行うボランティア団体、組織が存在します。
沖縄県には現在、二つの組織が、
HIV陽性者のためのピアミーティングを開催しています。
以下に、ごく簡単にご紹介します。
 


沖縄・HIV陽性者ミーティング
ぽーと・ぷらす

  • 沖縄県臨床心理士会のHIVワーキンググループが約3か月に1度開催しています。
  • 主に告知初期の方を対象に、拠点病院でお声かけをしています。
  • 治療期間の長い陽性者も一緒に参加し、アットホームで和やかな雰囲気の中で、自分以外にも同じ陽性者の仲間がいる事が実感できます。
  • 臨床心理士が進行補助を務め、細やかで行き届いたプライバシー保護とグランドルールの徹底の元、心理的負担へも充分配慮をして運営されていますので、初めてピアミーティングに参加される方は、こちらがお勧めです。
  • セクシュアリティも問いませんし、開示の必要はありません。
  • 開催に関する情報や参加を希望される方は、拠点病院の看護師、ケースワーカーや臨床心理士にお問い合わせください。
  初めて参加する方、プライバシーが心配な方におすすめです。

ぽーと・ぷらすの詳細はここをクリック!

OHPAMラウンジ


  • 我がOHPAMが不定期で行っているOHPAMお茶会の拡大版です。
  • MSM(男性を好きな男性)、ゲイ限定の時と、セクシュアリティを問わない時とがあります。
    詳しくは開催案内をご覧ください。
  • こちらはHIV陽性者のみで参加、運営していますので、ちょっと人前では話せない、深い話、重い話、少々過激な話も、本音トークでエンドレスで語り合います。
  • 一応、ピアミーティング研修を受けた陽性者がファシリテータ(進行補助)を務めますし、グランドルールも設定しますが、本業ではありませんし、あくまで陽性者同士。
  • 参加に当たっては、開示する情報も心理的なコントロールも事後のやり取りも、すべて自己責任が前提です。
  • 「もっと本音で深く語り合いたい」「表立っては話せないタブー視されるような話も語らいたい」「HIV陽性者の仲間(友達)が欲しい」そんな方はこちらがお勧めです。

より深く突っ込んだ話、

セクシュアリティも開示した話、

プライバシーリスクを持てる方

におすすめです。

OHPAMミーティングの詳細は
ココをクリック!



<主なグランドルールの抜粋>

  •  ミーティングではニックネームを使います。(本名は名乗らないで!)
  •  ミーティングで見聞きしたお互いの個人的な情報は、その会場内だけに留めて下さい。
      あなたが外で誰かに話すという事は、
      あなたの事もどこかで話されているかも知れない、という事です。
      お互いを信用できる環境に無ければ、ミーティングは成立しません。
      (撮影や録音も禁止です。)
  •  本当にその事は人前で話しても良い事か、今一度じっくり考えてから話しましょう。
      (一度話してしまった事は、時間を巻き戻す事は出来ません)
  •  陽性者にも様々な考えの人がいる事も頭に入れて話して下さい。
      他の人の会話や進行を妨げたり、他の人の意見を聞けない、尊重できない人は
      参加出来ません。途中退席して頂く場合もあります。
      (私たちはHIV陽性者、という点以外の共通項は無いかもしれません。
       人はそれぞれ違う価値観、考え方や倫理観を持っていて当然です。)
  •  ミーティング以外で相手を見かけたときは慎重に。
      (相手の方は、その事を他の人に知られたくないかも知れません。
       あなたも人前で突然声を掛けられたら困る場面もあるはずです。
       本当に声を掛けて良い場所、時、相手であるか、慎重に考えましょう)
  •  ミーティング後のお互いの交流ややり取りはすべて自己責任です。
      (のちのちお互いが疎遠になる事で、
       ミーティングに出にくい環境になる事もあるかもしれません。)