OHPAM 本文へジャンプ
沖縄在住者がHIV陽性告知を受けたら?〜HIV告知に関する基礎知識〜


イメージ イメージ イメージ

まずは精神的な動
  揺を鎮め冷静にな
  ろう。


 HIV告知を受ける瞬間と言うのは、そこが保健所であれ病院であれ、まるで死刑宣告を受けたかのような衝撃と動揺を受ける気分かもしれません。

 私達も同じ過程を経てきました。
 告知直後から、まるで事務手続きの様な様々な説明や指導を受けると思いますが、パニックに陥った状態で、何一つ覚えていないという事もあるはず。

 とにかくまずは落ち着いて、冷静になりましょう。

 決してあなたは今すぐ死んでしまうわけでも、社会から抹殺されるわけでもありません。

 これからのあなたの生活が、少し変わるだけです。

様々な情報を集め、HIV
  治療と生活に関するイメ
  ージを掴もう。


 パソコンや携帯端末をお持ちの方、持っていなくてもパソコンを使えるという方は漫画喫茶などで、まずは「Futures Japan」と検索してください。

 HIV陽性者のための、様々な情報が網羅されたポータルサイト(入口〜または電話帳の様な物)です。

 そこから色々なキーワードで情報を得る事で、HIVに対するイメージが掴めてくるはずです。精神的な不安を抱える方は、どれも匿名で相談できる電話相談などの情報も掲載されていますので、利用してみましょう。

 OHPAMのリンクページからも飛べます。

保険(公費)助成を受ける
  治療のためには障害者手
  帳が必要。


 HIV陽性者は「身体障害者(内部障害)」として区分されます。
その治療には莫大な費用がかかるため、まずは「障害者」としての認定をしてもらい、「障害者手帳」の発給を受けた上で、「自立支援医療(更生医療)」の申請によって公費の助成を受けることが出来、自己負担額はかなり軽減されます。
(現実的には余程の大金持ちでない限り、公費の助成無しに治療を受ける事は難しいと思います。)
 それらの一連の手続きは、自分の住所のある市町村の障がい者窓口に自身で出向き、必要書類を提出する必要があります。
(*本人による窓口申請が原則ですが、HIVに関しては、プライバシーへの配慮から、代理人による申請も認められています。もし、窓口に行き難い場合には、代理人による申請、郵送による申請も可能ですので、通院先の病院のMSW(メディカルソーシャルワーカー)にご相談ください。)


イメージ イメージ イメージ

障害者手帳は重大なプラ
  イバシーが記載された大
  切な身分証明書。

 
 障害者認定にはHIVの症状の重篤さ(重さ)加減などを元に等級判定があり、この等級と所得、同居世帯の状況などによって、自立支援医療(更生医療)の自己負担額が決定されます。
 自立支援医療制度を利用する前提として、役所に収入の申告がされ、住民税額が決定している事、健康保険(社保、国保)に加入している事が必要です。

 自立支援医療は病状と経済事情により自己負担額が変わるので、毎年更新します。
 障害者手帳は都道府県、および政令指定都市が発行元のため全国一律ではなく、自治体の財政事情や福祉行政に対する考え方により、受けられるサービスにもかなり差があります。
 同じく自立支援医療の自己負担額の決定も自治体内部の審議会等で決定されるため、判断基準も自治体により差があると思われます。

沖縄県内でHIV治療を受け  られる病院は4か所のみ!

 HIV治療には高度の専門知識や適切な治療環境が必要なため、国が指定した「HIV治療拠点病院」での治療が基本となりますが、沖縄県内には沖縄本島内の3か所のみしかありません。
(*2015年6月より、宮古地域においても、容体の安定してる陽性者については、宮古島市内の病院での通院、投薬治療が可能となったようです。)
 個人の事情に合わせてその中から選択する事は出来ますが、沖縄も含めて全国的に特定の医療機関に集中する傾向があり、その弊害が指摘されています。
 また、基本的に各病院とも平日の日中しか診察を行っていないため、診察のためにはどうしても定期的に平日の日中に仕事や学業を休む必要がありますし、例えば歯の治療など、HIV治療以外の他科の受診にも様々な制約が出てきます。
 さらに離島を数多く抱える沖縄県の様に、離島在住のHIV陽性者にとっては経済的な負担の他に、「なぜ定期的に沖縄本島の病院へ通うのか」といった周囲からの疑問など、精神的、時間的な負担も大きいと言われています。

投薬治療は生涯続く治療。飲み忘れには注意が必要。

 HIVの治療技術は、複数の治療薬を混合して経口投与する「カクテル療法」という治療法の開発により大きく前進し、今では簡単には死なない、けれど現時点では完治も出来ない、生涯続く慢性疾患の一つと捉えられるようになりました。
 治療の基本はウイルスをほぼ検出不可能なレベルまで抑え込む事で、エイズ発症を防ぐ仕組みですが、基本的に1日1回〜数回、治療薬を生涯、毎日飲み続けなければなりません。
 もし薬を飲み忘れると、薬の成分の血中濃度が下がる事によりウィルスが増殖し、治療薬に対して抗体が出来てしまうリスクがあります。
 抗体ができると治療薬の効果が無くなるので違うタイプの治療薬に切り替えなければならなくなり、その分、使用できる薬の選択肢は少なくなってきます。
 そのため、投薬治療に当たっては、きちんと毎日必ず飲み続けられるような、自分自身の生活習慣や環境を整えておく必要があります。

その他にも、沖縄でHIV陽性者が暮らしていく上で、

   「こんな時はどうすれば良いのだろう」
   「こういう問題はどこに相談すれば良いのだろう」


   といった疑問やお困りごとがございましたら、メールでお問い合わせ下さい。
   私たちが知り得る範囲、調べられる範囲での情報についてはお答えします。
   また、多くの人にお知らせした方が良いと思う情報に関しては、
   ホームページ上に掲載していきます。